妊娠中に必要な栄養とサポート食品の活用方法とは

昔は妊娠したら赤ちゃんの分とママの二人分の栄養を取らなけらばいけない、と言われていました。しかし、最近では食べすぎは妊娠高血圧症などのトラブルを引き起こす危険性があるので体重管理をしっかりとさせる産院が増えてきました。けれども、妊娠中は体の様子も普段の調子とは変わりがちで、つわりや大きくなったおなかのせいで思うように食べられなくなってしまう妊婦の方も多く、赤ちゃんの分まで栄養が取れているかどうか不安も大きいと思います。加えて重症悪阻などになれば赤ちゃんだけでなく母体にも悪影響を及ぼし、入院になることもあります。では、本来であれば妊娠中に送るべき食生活や必要な栄養素、つわり中などできちんと食べられない場合の対処法はどういったものがあるのでしょうか。

まず、妊娠初期には今後の体重管理のためにも、自分のBMIを把握しておくことが大切です。それによって今後の体重増加の目安がわかりますし、それをもとに病院で医師や助産師からのアドバイスをもらうこともできます。初めの診察では母子手帳がないので体重等記録されませんから自分で忘れずにメモしておきましょう。また、妊娠前から初期にかけて大切な栄養素として葉酸があげられます。一日に0.4㎎の摂取が推奨されていて、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを低減する効果があるとされています。葉酸はホウレンソウ、ブロッコリー、春菊といった緑黄色野菜や、枝豆や納豆、イチゴなどにも多く含まれていますので意識してこれらの野菜等を摂取するようにしましょう。基本的には妊娠初期の食事の目安としては妊娠前と変わらなくてよいと言われています。今までカロリーだけを気にして食事をしていた方や好き嫌いが多く同じものばかり食べていた方は栄養が偏ってしまいますから一汁三菜を基本にバランスよく食べるように気を付けましょう。

妊娠中期に入るとつわりが終わって食欲が出てくる方も多くなります。つわりのころは食べられなかったものもおいしく食べられるようになり解放感からついつい食べ過ぎてしまうこともあります。しかし、このころの摂取カロリーの目安は1日でプラス250キロカロリーですから注意が必要です。安定期に入っても激しい運動は避けたほうがよく、運動はウォーキングのようなものになりますから、運動による体重管理はできないものと考え、食事での体重管理を心がけます。厚生労働省の発表している「食事バランスガイド」によれば、野菜やキノコ、イモ類、海藻を使った副菜と、肉や魚などのたんぱく質を使った主菜を一皿ずつと果物を足すと良いとされています。主菜は肉・魚の他にも卵や豆類など様々な食品を取るようにしましょう。また、摂取カロリーを抑えるためには肉は赤身のものを使い、煮る、蒸すなど油を使わない調理法を選ぶのがおすすめです。また、魚に関しては水銀が多く含まれて胎児に影響を及ぼす危険性のあるものが存在します。安心して食べられるものはサケ、アジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオ、ツナ缶などです。スーパーで簡単に手に入るものの多くは大丈夫ですが、マグロなど大きな魚は注意がいるものもあります。また、妊娠中は免疫機能の低下から食中毒を起こしやすくなります。ママに影響がなくても赤ちゃんにダメージが行くことも考えられますので、食品は十分に洗浄する、中までしっかり加熱するなど取り扱いに注意しましょう。

そして妊娠末期には妊娠中期の食事に加えて、ごはん小盛り1杯程度の主食とコップ半分ほどの牛乳などの乳製品を摂取するべきだと言われています。日本人は世代にかかわらずカルシウムが不足しがちです。牛乳・乳製品はもちろんですが、緑黄色野菜、大豆・大豆製品、小魚や海藻にも含まれます。意識して摂取するように気を付けると良いです。摂取カロリーは妊娠前にプラス450キロカロリーが目安です。食べるべき量は増えるのですが、おなかが大きくなるのに伴って今までと同じ量を一度に食べることが難しくなってきます。その際には少量ずつ何度も食べるようにしましょう。また、逆流性胃腸炎を発症することも多い時期でもあります。脂肪分や糖分の多いものやレモンなどの酸味の強いもの、コーヒーのようなカフェインの多く含まれてるものなどを食べると胃液の分泌が促され、症状が悪化しますのでできるだけ避けるようにしましょう。

以上のような食生活を送れれば、栄養的には問題ないですが、妊娠中にはこの通りにできないことも多いでしょう。それではつわり中などで食べられないときにはどのように対処すればよいのでしょうか。最も大切なことは栄養バランスを考えるよりも食べられそうなものをとりあえず食べることと水分をしっかりとることが大切です。少量ずつ食べたり、冷やして食べやすくしたり、においの少ないものを選んだりと工夫して食べられるものを探しましょう。また、ジュースやスープ、ゼリ-飲料などを活用すれば水分と栄養素を同時に取れます。食べても飲んでも吐いてしまうとだんだんと食べることが嫌になってきますが、一度摂取すれば戻してしまったとしても多少は体に吸収されます。どうしても辛かったり体重の減りが気になるときは早めに申し出て点滴をしてもらうようにしましょう。重症妊娠悪阻になってしまうとビタミンB1の不足からヴェルニッケ脳症になり後遺症が残ってしまうこともあります。また、脱水症状がひどくなって血管が詰まってしまう危険性もありますから、不安があれば我慢せず医師に相談しサポートを受けるようにしてください。

また、妊婦の方向けにさまざまな栄養サポート食品やサプリが存在します。食べられないときはもちろんですが、においづわりや体のだるさで料理をするのが大変というときなどにも活躍します。今まで述べてきたように食事からの摂取はもちろん大事ですが、実はそれだけでは補いきれない場合もあります。例えば妊娠中貧血になることも多く、鉄分の摂取は必要不可欠です。豚レバー80グラムには10.4㎎、ホウレンソウのおひたし50グラムには1㎎の鉄分が含まれてますが、体に吸収されるのは10%程度なのでこれでは全然足りないのです。このように食事からの摂取だけでは限界がありますから栄養サポート食品を上手く使ってバランスを整えると良いでしょう。サプリメントなどにはその栄養素の吸収効率をあげる栄養素が一緒に含まれているものもありますので便利です。しかし、妊娠中の取りすぎは危険な栄養素も存在しますから、あくまでもサポート程度と考え、それぞれの栄養サポート食品で指示された一日の摂取量を守り、過剰摂取にならないように気を付けてください。

以上のように、妊娠中の食生活には気を付けるべき点が多くあります。これまで食生活が乱れがちだった方はこの機会に見直してみると、赤ちゃんが生まれて授乳が始まってからにも役に立ちます。しかし、体調がすぐれずに思うように食事が取れない場合はこの限りではありません。無理をしてストレスを貯めてしまうのは母体にとっても赤ちゃんにとっても好ましくありません。